6月某日、アメリカとヨーロッパで活躍する若手ピアニストさん2名をお招きして、音大生とオンラインおしゃべり会を実施しました。
その名も「題名のない音楽家おしゃべり会」
海外で音楽活動をするって、実際のところどんな感じなんでしょう。日本にいると、なかなか想像できないですよね。そこで、二人の若手ピアニストさんに聞きたい放題聞いてみました!
本日のゲストお二人のプロフィール
垣本 拓海(かきもとたくみ)さん
姫路市出身。6歳よりピアノを始める。高校生のときに独学でジャズを学び始め,後にジャズピアニスト小曽根実氏に師事。
2014 年にバークリー音楽大学に全学費免除特待生として入学。これまでに国内外のジャズフェスティバルやコンサートへ出演するほか,多数の作曲コンクールにおいて受賞。また2018年よりヤマハ音楽振興会音楽奨学生に認定されている。
2019年に同大学を卒業後,米国ボストンを拠点にピアニスト・作曲家として活動している。
大井 駿(おおい しゅん)さん
指揮者・ピアニスト・古楽器奏者。 1993年生まれ、東京都出身。
パリ地方音楽院、ザルツブルク・モーツァルテウム大学ピアノ科・指揮科卒。現在同大学院、ミュンヘン国立音楽演劇大学でピアノ、指揮、古楽の3科を専攻、研究。2018年度ヤマハ音楽奨学支援制度奨学生。
ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団団員。
おしゃべり会スタート!
まずはあらかじめ用意しておいたいくつかのテーマの中から、参加者の一番興味のあるテーマについてお話頂くことに。
最初に多くの参加者が選んだのは…「音楽って儲かるの?」というテーマでした。
一発目からなかなかディープな話題ですね…!でもやっぱり大事なことだし、気になりますよね。
(筆者も実は一番聞いてみたかった話題です。たのしみ!)
ジャズピアニストのアメリカでのお仕事とは?
まずはボストン在住のジャズピアニスト・作曲家、垣本拓海さんにお話を伺いました。
―垣本さんは、バークリー音楽大学を卒業されてからどんなお仕事をされているんですか?
(垣本さん)自主企画のコンサートや外部からの演奏依頼のほかに、レギュラーでやっている仕事としては、本当に色んな仕事を掛け持ちでやっています。
バークリー音楽大学・ボストン音楽院では、声楽とダンスのクラスの伴奏をやっています。ダンスは主にバレエやモダンダンスですね。ダンスのクラスでは基本的に即興で伴奏をしています。まずはダンスの先生がデモンストレーションをして、その時に拍子やフレーズを覚えて、即興で伴奏を付けていきます。
その他には、ボストンバレエ団での伴奏の仕事、ボストンの教会で毎週末ミサのピアニスト、あとは生徒をもっていてピアノを教えています。
―ダンスの伴奏は、先生のその場の動きに合わせてインスピレーションで弾くという感じですか?
(垣本さん)そうですね。
―普通はなかなかできなくないですか?
(垣本さん)ダンスのクラスの種類にもよりますが、例えば僕が弾いているクラスのほとんどであるクラシックバレエのクラスになると、他の同僚は完全にクラシックのピアニストが多いんです。彼らはたくさんの曲のレパートリーを持っていて、その場に合った曲をすぐに引き出して弾くということで、全員が即興をやっているわけではないんですね。ただ、もちろん熟練した伴奏者のなかには、全て即興で弾いているクラシックピアニストももちろんいます。
僕はクラシックも勉強はしていますが主にジャズを弾くので、ジャズの知識と即興力を活かして伴奏をしています。クラシックバレエのダンサーはリハーサルなどでいつもクラシック音楽に合わせて踊っているため、ジャズのボキャブラリーだったりハーモニーを使って伴奏すると新鮮に感じるようです。これがボストンバレエ団で雇ってもらえた理由のひとつだと思いますね。
おもしろいのが、ダンスの先生によって音楽の好みがあるんです。クラシックじゃないと嫌という先生もいるので、それに備えて僕もいくつかクラシックのレパートリーを持っていたり、ジャズの要素を使わずにクラシックっぽく即興したりして対応しています。もちろん先生によっては「ジャズ弾いて」と言われることもあるので、ガンガンジャズを弾いたりもします。
―その場に合わせて演奏できるのはすごいことだと思います。これは週何回くらいあるんですか?
(垣本さん)コロナの影響で今はなくなっちゃったんですが、3月まではほとんど毎日やっていました。
―毎日!?
(垣本さん)そうです。朝から晩までというわけではないんですが、ほぼ毎日クラスがありました。結局、それが悩みだったというか、どうにかデイオフを作りたいと思っていたんです。贅沢な悩みなんですけど(笑)
例えば朝に数時間、昼にちょっとあって、夜に数時間みたいな感じでバラバラと仕事があって。仕事場所も、バークリー音大で仕事があって、今度はボストンバレエといった感じで。週末には教会で朝7時からミサのピアニストの仕事があるのですが、家から離れた所にあったりするので…
―本当に休みがないですね。
(垣本さん)そんな感じですね。でもありがたいことです。
―レッスンでは、どんな方に教えてるんですか?
(垣本さん)本当に色んなレベルの方です。初心者の方も何人か教えていますし、バークリーで知り合った友人に教えたりもしています。作曲だったり、ピアノだったり。
―垣本さんはピアニストでもありますが作曲家でもありますもんね。
※本当に色んなお仕事をされてるんですね。お仕事内容についてたっぷりお話頂いた後は、かなり具体的なお話を赤裸々に語って頂きました…!ここでは割愛しますが、他では聞けないお話ばかりで大満足でしたよ。
ヨーロッパのオーケストラ事情
次は、ヨーロッパでご活躍されている指揮者・ピアニスト・古楽器奏者の大井駿さんにお話を伺いました。
―現在、大井さんはダブルスクールをされていて、パリとミュンヘンの学校を行き来しているんですよね?
(大井さん)そうですね。
―大井さんは、レッスンで教えたりはされているんですか?
(大井さん)してないですね。僕はこの話題はあまり面白いこと言えないと思います(笑)
―そんなことないですよ(笑) 大井さんは指揮者もされているのですが、ヨーロッパでのコンサートはどんなものをされていますか?
(大井さん)僕が企画したものではないのですが、オーストリアのアマチュアオーケストラに指揮者として呼んでもらったことがあります。オーストリアのちょっと田舎にあるブラウナウで。ブラウナウって、ヒトラーの生まれた家があっていわくつきの街なんですが(笑)そこのアマオケで指揮をしました。演奏したのは、ベートーヴェンの交響曲第1番や、モーツアルトのシンフォニーです。
―海外ってオーケストラは多いんですか?
(大井さん)多いですね。確か、世界でオーケストラが一番多い国がドイツなんですね。本当に色んなランクのオーケストラがあります。有名なベルリンフィルとかミュンヘンフィルが一番上のランクで、その下のランク、またその下のランクもある。Aオケ、Bオケ、Ⅽオケみたいな感じで呼ばれています。
―アマオケはABCのどれになるんですか?
(大井さん)アマオケはどれにも入らないですね。もちろんアマオケの中でもめちゃめちゃ上手いところもありますが、みんなが本当に楽しくてそれでOKという感じのオケもありますし。それは、その人たちがどういう趣旨で集まっているかによりますね。
※やはりヨーロッパはオケが多いんですね~。この後、大井さんからも具体的なお話を語っていただきました…!こちらも割愛しますが、まさに裏側なお話をたくさん聞けちゃいましたよ。
ここでしか言えない大失敗
次のテーマは、「ここでしか言えない大失敗したこと」です。
アメリカやヨーロッパで活躍されているお二人にも、失敗談はあるのでしょうか。これを聞けたら、同じ音楽家としてかなり勇気をもらえるような気がします(笑)
失敗も経験
―まずは大井さん、大失敗はありますか?
(大井さん)ありますよ(笑)
まだ指揮を始めたばかりのころの話ですが、本当に経験が無かったので、事前に自分の楽譜に色々書き込むわけですよ。ここを気をつけなきゃ、とか。で、本番で指揮をしますってなった時に、舞台上で楽譜を開くと、書き込んでいるものが全部見えなくなっちゃったんですね。なんでかというと、その時にシャーペンで書き込みをしていて、スポットライトが楽譜に垂直に当たるのでそれで光が散っちゃって、書き込みが見えなくなったんです。それでめっちゃパニックになったことはあります。
他だと、オケで演奏されてる方からすればありえない指揮者だと思われるかもしれないんですけど…指揮をしていたら、コンサートマスターの譜面台を左手でぶっとばしちゃったこともあります(笑)
―それはすごいですね(笑)
(大井さん)あとは、僕は古楽器をやっているんですが、現代のピアノと古楽器のフォルテピアノを比べた時に、古楽器のフォルテピアノの方が若干鍵盤の幅が狭いんですよね。例えば指をぱっと開いて現代のピアノで10度とどくとしたら、フォルテピアノだと11度くらいとどきます。比べると結構狭いんです。
ある日、フォルテピアノでのリハーサルがあった後に、現代のピアノでコンサートの本番があったんです。本番前に現代のピアノで指を動かす時間も無く、シューベルトの3つの即興曲を弾きました。最初のうちは良かったんですね。でも、はじめて音階がでてきたときに、フォルテピアノで弾いてた感じでそのまま弾いちゃって、全部スカスカってなっちゃって(笑)音階どれも音がハマらなかったんです…。その時は本当に全然音がハマらなくて(笑)失敗っていうよりなんかもう楽しかったですね(笑)
―聞いてるだけでも汗が出てきちゃいますね(笑)
(大井さん)もうなんか逆に、ここまできちゃうと「もういいや、失うものないや」ってなって、残りの時間はけっこう好きなことができますね。開き直れちゃいます。あまり良いことじゃないかもしれないですけど(笑)
あともうひとつ、僕じゃないんですけど、アンリ・バルダっていう、よく日本にもいらっしゃるピアニストがいて。その方が、パリでリサイタルをやったんですよ。ショパンとか、フランスの曲をいくつかっていうプログラムだったんですけど、ショパンを弾いているときに、何回も何回も同じ所を堂々巡りしているんですね。どうやって終わるかわかんなくなっちゃったみたいで、途中で止まって、ちょっとすいませんって言って楽屋に戻っちゃったんです。で、楽譜を持ってきてペラペラって聴衆にみせるわけですよ。そこで聴衆がどういう反応をするかというと、めっちゃ温かい反応で、拍手してフーフーって歓迎するんですよ。なんか、「いいなこういう雰囲気」と思いました(笑)失敗をしても、ヨーロッパではすごく寛容なんですね。もちろんひとりの人間だし。やっぱりミスをしても、あたたかく、みたいなそういう雰囲気はあるかなと思いますね。
―失敗も経験だってことですかね。
(大井さん)本当にそうですね。
※失敗談をこんなに面白くお話いただけるとは…!
大井さんの話術に引き込まれてしまいました。ヨーロッパのコンサートのあたたかい雰囲気もすてきですね。
今まで、失敗しなかったコンサートはほぼない
―次は、垣本さんにお聞きしましょう。垣本さんの場合、失敗しても即興でカバーできちゃうんじゃないかなって思っちゃうんですけど…垣本さんは失敗とかありますか?
(垣本さん)いやいや、即興でやっててもミスすることってもちろんあるんですよ。自分が頭のなかで描いていたものとは違う方向に行ってしまったり、そこまで発展させられなかったり。
僕のコンサートを聴きに来るお客さんは、ジャズは好きだけど、専門で演奏したりはしないというお客さんも多いんですね。それで、あまり自分の中で満足のいく出来じゃなかったと思ってるのに、「すごく良かった」とか「感動した」とか言ってもらう時に、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりますね。
自分が満足していないことで、お金を頂いて、わざわざ来ていただいて時間を使って聴いていただいて、そういうのが最悪だなって思ってしまいます。そう考えると、毎回失敗しているかもしれないですね(笑)
―今までやったコンサートの中で、成功したなっていうコンサートはなかったんですか?
(垣本さん)大成功したと感じるものはほぼ無いですね(笑)というのも毎回反省・改善するところが多すぎて。
今までやったコンサートのビデオはほぼすべて貰ってるんです。でも、いまだに全部通してはなかなか見れないですね。恥ずかしくて(笑)
コンサートが終わった時は毎回良い気分になるんですよね。ちょっとミスがあったとしても、達成感もあるし、他のプレイヤーやお客さんたちとその気分を共有するんですが、そのすぐ後からは反省会じゃないですけど、、そんな感じになっちゃいますね。
※なんとストイックな…!垣本さんの音楽への果てしない向上心がわかりますね。
このような姿勢で音楽に向き合っているから、素晴らしいものを生み出せるんだろうなあ。
海外では必須の、語学スキルについて
最後に、参加者のみなさんからお二人へ聞きたいことを募ったところ、
「語学のスキルはどうやって身につけたのか?」という質問がありました。
語学スキルは、海外で活動するには必須ですよね。気になる所をきいてみました。
発音が悪いと、現地の人に話を聞いてもらえない
―大井さんはどのように語学を身につけたのですか?
(大井さん)もともと語学はすごく好きだったんですけど、はじめて英語以外の勉強を始めたのは高校の時で、ドイツ語の勉強に通いました。気がせる方なので早くやりたいと思って。本当に習い事って感じで惰性だったんですけど(笑)
そのあとは、フランス語を勉強することになりました。もともとはドイツに行きたかったんですけど、途中で気が変わってパリに行きたくなって。パリに行くためにはフランス語をやらなきゃいけないのですが、その時点ですでに(語学の)試験の日まで近かったんです。でもやっぱり諦めきれなかったので、学校に休みの届けをだして、パリに行って、abcから習いました。その時は結構必死で、その(語学の)試験に受からないと大学受験が出来ないという状況だったので、けっこう勉強しましたね。
―パリでの語学の勉強中にも、ピアノは弾いていたんですよね?
(大井さん)いや、ピアノは弾かなかったです(笑)例えばなんですけど、韓国料理でいろんなおかずが出てきても、もやしのナムルが美味しすぎたらそればっかり食べるというか…自分はそういう性格なんだと思います(笑)
―おもしろい例えですね(笑)語学の上達のコツとかはありますか?
(大井さん)それはとにかく、単語を覚えること。そして、ドイツ語もフランス語もイタリア語もそうなんですけど、動詞の変化がすごくいっぱいあるんですよね。あと、ドイツ語だったら、冠詞(英語でいうtheとかaとか)が変化するんですよ。すっごいややこしくて大嫌いなんですけど(笑)それを早めに習得するのは大切だと思います。
例えば日常のちょっとしたときに、「今やった動作ってなんていうんだっけ」とか、「あれ、これわかんないな、すぐ調べよう」とか。そういうサイクルが大事ですね。
あとは、話すとなると、やっぱり発音が悪いと現地の人たちに話を聞いてもらえないんですね。音楽とも共通してるのかもしれないですけど、例えば、音が汚くても音楽の構築がすばらしいっていう演奏ってあまり聴きたくないじゃないですか。構築がどうこうよりも、音がきれいな人のほうが、演奏って聴かれると思うんですね。ピアノでも、すごくがんばってアナリーゼ(楽曲分析)をして、構築は完璧にやってるのに音が汚いとかいう演奏は聞きたくないですよね。
それって語学とも共通してるんじゃないかと思っていて。発音とかも、完璧にはできないけど、練習したらある程度まではできると思うんですね。どうやって発音しているかを研究してみたり。発音をある程度のレベルまでもっていくと、向こうの人は「この人は発音をがんばってるから聞こう」という姿勢になるな、というのは、現地で話をしていて思いましたね。
※語学の発音を、音楽に例えるのはとても斬新でわかりやすいですね…!確かに、逆の立場になってみたらそうかもしれないです。コミュニケーションする上で、発音ってすごく大切なんだということがとてもわかりました。
「勉強しないといけないもの」と思っていたのがもったいなかった
―垣本さんは、アメリカなので英語ですよね。語学についてはいかがですか?
(垣本さん)そうですね、最近は勉強っていう勉強をしてないかも(笑)いや、勉強していないというわけではなくて、よくないレベルで止まっちゃってるということで、今年でもう海外生活が6年目になるんですけど、生活は出来ちゃうんですね。でも、例えばニュースを何不自由なく理解できるかっていったら、知らない単語や難しい単語、専門的な単語はあるわけで。そういうのを勉強しなきゃだめだなって思いながら、5年ぐらい経ってますね(笑)
―ストイックな垣本さんらしいですね(笑)
(垣本さん)ひとつ、日本人がアメリカに来るときに利点だなと思うのは、日本の英語教材ってほとんどがアメリカ英語の発音になっていると思うので、そこはアメリカに来るには良いと思いますね。
僕の場合は、アメリカに来るまでは高校も普通科でした。ただ、僕の高校はアメリカのアリゾナ州の学校とオーストラリアの学校と姉妹校提携をむすんでいて、毎年アリゾナ・オーストラリアそれぞれから1人ずつ先生がきて、英語科の生徒はその先生からレッスンを受けれるようになっていたんです。それで、バークリーに行きたいと思ったのが高校3年生の時で、僕は普通科だったので通常は英語のレッスンは受けれなかったのですが、自分の英語の先生に頼んでネイティブの先生を紹介してもらって、事情を説明して、「どうしても英語が喋れるようになりたいからレッスンしてください」とお願いしました。そして、毎日お昼休憩に個人的に30分くらいレッスンしてもらってました。
最初に英語のレッスンを受けたときに衝撃を受けたんですけど、その当時、僕は「right」と「light」の発音が違うってことすら知らなかったんですよ。普通の学校の英語の授業のなかで、発音をしっかり学ぶことって相当難しいことだと思うんです。僕はこんなに簡単な単語を伝えようとしているのに、発音が間違っていたから聞き取ってもらえなかったっていうのが衝撃で。これは絶対に勉強しないと大変なことになると思って、毎日職員室の前でその先生を待っていましたね。アメリカへ留学すると決めたのも結構ギリギリで決めたので、その時はあまり時間もなくて、事典みたいな分厚い単語帳を買って、毎日必死で勉強しました。長文の教材のオーディオを、0.9倍速、1.1倍速、1.2倍速とか色んなスピードで聴いたりもしましたね。英語の先生に色々相談したりしながら、効率的な勉強法を自分なりに模索していました。
―色々と工夫しながら勉強されていたんですね。
(垣本さん)あと、実際アメリカに行ってからわかったこととしては、他の国の人と比べて、日本人は学校教育で英語の文法をしっかり学んでいたり、単語をたくさん学んでいたりしますね。他の国の人は、勢いよく喋るんだけど文法がめちゃくちゃだったりします。その点は、日本の学校で習ってきたことは間違ってなかったのでは、と思いますね。
あとは、今はインターネットがありますよね。僕は、日本語を学びたい海外の人と友達になって、1時間のセッションなら、30分は英語、30分は日本語で学びあう、みたいなことを毎週スカイプでやったりしました。やっぱりしゃべらないと。
音楽と一緒で、語学はコミュニケーションツールなので。いくら勉強しても、単語を知ってたとしても、それを自分で話して、相手に伝わらないとあまり意味がないというか。だから、こっちにきて思ったのは、自分が学生の時には気づかなかったけど、英語を「勉強しないといけないもの」として勉強してたのがすごくもったいなかったなって思います。英語ってコミュニケーションツールだし、世界共通語なので、ちゃんと勉強すれば色んな人とつながれるツールなのに、そういう見方をして勉強してなかったな、と後悔はしてますね。
※垣本さんは、勉強方法を色々と工夫されていたり、人とのコミュニケーションの中で学ばれてきたんですね。語学を「コミュニケーションツール」と捉えて学ぶ、という考え方は、これから語学を学ぶ人にとって大きなモチベーションになると思います…!
おわりに
アメリカとヨーロッパ、それぞれの音楽事情が垣間見れたり、ここでしか聞けないような裏側をお話してもらえたり…。日本との違いや、意外と共通点もあるんだな、と思ったり発見だらけでした。お二人ともお話がとても上手くて、あっという間に時間が経っていましたね!
海外に興味のある音大生のみなさんにとっても、とても有意義な時間になったのではないでしょうか。今は海外へ行くのが難しい状況ですが、行ける日がやってきたら、多くの音大生のみなさんが海外へ羽ばたいて行かれることを願っています。
垣本さん、大井さん、貴重なお話をたくさんしてくださり本当にありがとうございました!
(最後はみんなで記念撮影! ドイツやベルギーの若手音楽家のみなさんもおしゃべり会にきてくれました!)
この記事を書いたライター/音楽家
永井友梨佳(ながい ゆりか)
鳥取県米子市出身のソプラノ歌手/アウトリーチ専門演奏家
京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。
大学卒業後は、会社員をしながら音楽活動を続けていたが、その中でアウトリーチ演奏活動の価値に気づき、音楽に専念するため7年間勤めた会社を退社。
多くの高齢者施設、学校、医療施設などにて訪問演奏の実績あり。
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