【写真映像作家 × 音大生 座談会】signをつかむ、chanceをつかむ

NYに単身飛び込み、写真映像作家になった松井みさきさんに音大生からキャリア、仕事等について質問する機会をいただきました。
松井さんはバイオリン奏者であり、今でも映画音楽の制作して音楽家の写真も撮影していますので、音楽を通じたお話も盛り上がりました。

なぜ、そこまで頑張れるのか。

どこからそのパワーが湧いてくるのか。

なにを大切にしているのか。

今回は、大学 4 年生、絶賛就活中で社会の波にもまれるってこういうことか!と初めて実 感している筆者が、音大生に語ったみさきさんの想いを書き記します。

◆筆者紹介  楊 玲佳


八王子で育ち、現在は武蔵野市在住。憧れの中央線デビュー。上智大学文学部に通う、4年生。
ゴスペルサークルに所属し、果てしない声量と低音ボイスを持つ。
ジャンル問わず、Facebookのイベントに参加することが好き。

・・・

同じような就活生の方、転職したいけれどもその一歩が踏み出せない方、新しいことを始めたいけれども勇気が出ない方、多くの方に響く言葉があるのではないでしょうか。 ぜひ、それをそのままみなさまに届けできれば、なんて思っています。

 

1、 松井みさきさんって
2、 一番大切なのは才能とは限らない
3、 ちょっと考えておきます、ではもう遅い
4、大切にしてるのは「サイン」
5、日本人あるある・名刺交換で満足してない?
6、逆境こそがチャンス
7、大学生に言いたい「失敗しよう」
8、アーティスト力とは。自分のやりたいことを、やる。
9、すべきは「掛け算」
10、まとめ

 

1、松井みさきさんって?

まず、松井みさきさんとは。
日本とニューヨークを拠点に活動する、写真映像作家です。 広告会社にてマーケティングプランナーを勤めたのち、ニューヨークへ渡り、写真映像作家 に転身。現在では、映画祭にも作品が入選するなど、映画監督としても精力的に活動してい ます。 また、プランナー時代に培ったブランドスキルの知識を役立て、セルフブランディング・コ ンサルタンティングも行なっています。

もう、とっても美人ですよね! 実際にお会いすると、写真以上の、そのパワーとオーラに圧倒されました。 また、渡米経験も現地の知り合いもなく、広告会社のプランナーから、写真家になるためにニューヨークに行くことを決意したと いう、異色の経歴の持ち主。
そんなみさきさんのお話へ、さっそくいってみましょう!

 

2、一番大切なのは才能とは限らない

―成功するために一番必要なものって? みさきさんから音大生に向けて、こんな質問が投げかけられました。

―音大生たち 「諦めないこと!」「コミュニケーション能力!」「人柄の良さ!」「ワクワクする、自分の 気持ち!」

 

みなさん、メンタルについて回答。

―そうなんです、まさにメンタルの問題で。
これはニューヨークへ行って気付いたことなん ですけど、飛び抜けた才能が、成功するために一番必要なものではないということ。
器用な人はある程度できてしまいますが、ちょっとうまくいかなかったら割とすぐに諦めてしまう人も。思い入れの浅い人も多いんです。
でも、飛び抜けた才能がない人、チャンスがない人、環境に恵まれていない人って、根性がすごいんです。 やっぱり、情熱や、諦めないことなんです。 映画もそうなんですけど、とにかくハプニングが多い。
だから、映画を撮るうえで重要なのって、実 現力なんです。どんなハプニングが起きても、最後まで遂行する力。(音大生の)みなさん もコンプレックスとかあったりすると思うのですが、才能がないからと言って諦める必要はない。大事なのは続けていくこと、情熱、諦めない、実現力、これらを大切にしてほしいです。

 

3、ちょっと考えておきます、ではもう遅い。

―みさきさんって、自分が良い!って思ったものを選んで、自分で決断していますよね。その 決断力はどこで培ったんですか?

―日本人ってすごく慎重だし、優しいですよね。ドリームキラーが多いです。 例えば、「会社を辞めてニューヨークへ渡ろうと思うんだよね!」というと、大抵の人は心配して止めるじゃないですか。まあ、私は突っ走っていて止められなかったのかもしれないですけど(笑)。

なんで止めるのかというと、愛情のあまり心配してくださるんですけど、「そんなことでき るわけない! 成功してほしくない!」という深層心理も働いている場合もあって。

あと、「ちょっと考えます~」って慎重になって考えているとチャンスを失うことがすごく 多いんです。
ニューヨークはすごくスピードがすごく早い。人の出入りが多かったり、つねに動いている 町なんです。
例えば、ある友人と「ランチしよう!」といって、その日がダメになってしまうと、もうそ のチャンスは来ないなんてことも。 一期一会、じゃないですけど、ワンチャンス、ワンチャンスを大切にするっていうのはすごく あって。
あとは、アメリカ人は気が変わりやすいんです。 この前言っていたことを、次会ったときにはもう忘れてる、みたいな。 なので、「もう気が変わらないうちに!」というふうに、ポンポンポンと次、いつ、何する ということを決めていく習慣はつきましたね。

 

4、大切にしているのは サイン。

サイン って言葉を人生ですごく大切にしてて。
例えば、おんなじことを A さんが言った、B さんも言った、それをただの偶然と思うかどうか。2人が言うということは大勢が思っているのではないか。 昨日も今日も同じことを言われたりすると、なにか意味があるんじゃないのか。
嫌なこと、辛いことが 重なる場合も、それは今の生活を見直せという サイン なんじゃないのか。 そういうことをすごく思うタイプで。 起きていること一つ一つに意味があると考えますね。 サイン を見逃さない。それを大切にしてほしいですね。

 

5、日本人あるある、名刺交換で満足してない?

―日本って名刺交換がすごく発達しているじゃないですか。

でも、それで安心している人が多くて。 連絡先を交換したから、いつでも連絡をとれる!って。 だいぶ経ってから急に連絡を取って、自分のことを思い出してもらえると思います? なので、お会いしたら、まず一度メールやFacebookでやり取りをする。そうすれば、履歴が残 る。 そのときに、相手が自分のことを思い出してもらえそうな自己紹介を盛り込んでおく。「あのとき、ああいう会話をした人だな」と思い出してもらえます。 「昨日お会いしました、○○です」じゃ、ダメです。時間が経つと、どの「昨日」か思い出せないので。

例えば、「いつの、○○のセミナーで、○○を話した○○です」とか。 何気ない会話もプレゼンテーションなんです。嫌みなく、自分を印象づける術。 それには、キーワードが大切。「広告会社のプランナーからニューヨークに写真をしに行った人なんだ」とか、「声楽をやってて、マンドリンもやってるんだ。」とか。印象的ですよね。 ただ名刺交換やFacebook でつながるだけではダメなんですよ。

あとは、「今度お会いしたいので、ぜひおうかがいさせて頂いてもいいですか?いつ頃がよろしいですか?」と、実際に次のチャンスへと自分でつなげていく。ニューヨークでそれをやって、断わられたことがないんです。やっぱりわざわざ自分を訪ねてくれるのは嬉しいと思って頂けるんですよね。チャンスをつかむ術を大切にしてほしい。
つながる、会いに行く。そうすれば絶対に新しい情報が得られた り、人脈を紹介してくれるんですよ。そこからまた、つながっていきますよね。渡米2年目で「もう 10 年くらい住んでいるんですか?」って聞かれたんですよ(笑) 友達ゼロで渡米したので、危機感を感じていたからこそ、行動した結果、誰よりも人に会っていた、 いう。

 

6、逆境こそがチャンス

―自分のやりたいことが漠然としている人が多いです。 イメージでしかない。具体的に、これやりたい、いつまでにやりたい。それを創るのが大切 ですよね。
あと、期限を決めるのも大切です。
目標がないとどう頑張ればよいのかわからない。 ダラダラやっていたら恵まれた環境でも良いものが出来るとは限らないです。 逆境の方が良いものができる。
チームでも、同じですよね。仲良しこよしではなく、ぶつかり合いがあった方が良いものが できる時もあります。

 

7、大学生に言いたい、失敗しよう

よく勘違いされるんですけど、私はもともとネクラで、ネガティブだったんですよ。 ポジティブになったのも大人になってからで。渡米前の会社員時代、すごく落ちこむ ことがあり、これはもう人生を変えなさい、っていう サイン かな、と思って。 「ネガティブな状況を、ポジティブに考える」。「convert」 =「変換」という意味の言葉があっ て。ネガティブなエネルギーを convert してポジティブなエネルギーに変えられたらすごいことが起きます。 よく「悔しさをバネに」って言いますよね。これ、本当にそうで。逆に失敗していない と、プライドばかりができあがってしまう。チャレンジするのが年をとるごとに怖くなるので、 20代のうちに失敗をいっぱいしておけばいいと思います。

 

8、アーティスト力とは。自分のやりたいことを、やる。

音大生から、こんな音大生あるあるが飛び出しました。
―(みさきさん) みなさん、SNS で自分の音楽活動って宣伝するんですか?

―(音大生) いや、しないですね。

―(みさきさん) 自分の顔はアイコンにしないんですか?

―(音大生) しないですねえ。

―(みさきさん) え、普段からみなさん前に出るのに!

―(音大生) 宣材写真を撮っても SNS に載せないですね。自分の演奏も SNS で宣伝しな いです。そういうことをすると、自分の実力や演奏活動に見合ってないんじゃないか、と思われてしまうんじゃない か、と思うんです。同じ学校の、上手い人たちに陰口を言われるのが怖くて。

―(みさきさん) ピアノとか、バイオリンのスキルだけがアーティストの指標ともいえないんじゃないでしょうか。 コミュニケーション能力、エンターテインメント能力、好かれる力、応援してもらえる力とか、全部ひっくるめて のアーティスト力だと思うんですよね。 みなさんの悩みって、日本独特の、周りの視線を気にしすぎる悩みのような気がします。 嫌われるのが怖いって。でも、その陰口を言う人たちって、みなさんの人生の責任をとってくれませんよ ね。だから、自分で切り拓かないと。

 

9、すべきは掛け算。

―二ューヨークへ行く前に、会社の先輩に言われたんですけど、「掛け算で行け」と。 自分のやってきたマーケティングと、写真を掛け合わせろ、と。スタートが遅いから、写真では今から一番にはなれない、とははっきり言ってくれて。正攻法ではないんです。既存のものと既存のものを掛け合わせたら、それは新しいものになる。まったく新しいものを探すから、みんな大変なんです。既存のも のの掛け合わせなら、わりと誰でもできる。それによって、新しくてニッチでこれは自分にしか出来ない、というものを探せば、新しい市場が出来るし、自分のオリジナリティも生まれると思う。
みなさん、今はそれが何かはわからないとは思うけれども、これから考えていけばいい と思います。
わかるのは会社で何年も働いた後かもしれない。それでもいいんです。

 

10、まとめ

広告会社を辞めて、単身でニューヨークへ行き、写真映像作家に転身したみさきさん。 なかなか異色の経歴で、マネできることではない、と思っていました。しかしその行動に基 づいた考え方にはとても筋が通っているな、と実感。 すべての考えが点と点でつながっていて線となり、いまのみさきさんがある。 今後、その要素を自分にも取り入れていけたら、なんて思います。 読んでくださったみなさん、これが少しでも明日を生きるヒントになっていたらとても嬉 しいです。

 

そして最後に、お知らせです。

6月6日に、今回お話を伺った松井みさきさんがワークショップを開催します。

松井さんと楽しく話をしながらキレイな撮られ方を学ぶチャンスですので、ぜひお申込みください!

 

【ワークショップ】あなた仕様のキレイな撮られ方

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA